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「津波のいろは」の開発

災害発生時において津波による人的被害を軽減するためには、住民の迅速な避難が必要です。しかしながら、近年、津波警報や避難勧告が発令された事例において、住民の避難率が低調であることが報告されています。住民の迅速な避難を妨げる要因の一つとして、津波に対する誤った知識または知識の不足が考えられます。

そこで、住民に津波に関する正しい知識を持ってもらうことを目的とした津波防災教育コンテンツとして、津波の挙動現象について説明したシミュレーション動画を作成しています。

個々の住民に津波の挙動現象に関する正しい知識を身につけてもらい、迅速な避難の一助になることを目的としています。

1)津波の基本的性質

津波の進む速さ/津波の伝播速度

津波は海底の水深が深いところほど、速く進む性質があります。
したがって、震源からの位置が遠くても、津波が先に到達することもありえます。

浅水効果

津波は、海底の水深が浅くなるにつれて、波高が高くなる性質があります。

湾奥での集中効果

湾や入り江の奥では、津波のエネルギーが集中するため、波高が高くなります。

屈折効果

津波の進む速度は、海底の水深が深いほど速いという性質があります。
この性質のため、津波は浅いほうへ曲がりながら進んでいきます。

2)応用編

岬先端部での集中効果

津波は浅い方へ曲がる性質があることから、岬の先端では津波が集中しやすいという特性があります。

離島部トラップ

津波は浅い方へ曲がる性質があるため、島の周りでは螺旋を描くように津波が伝播します。
その結果、津波のエネルギーは島の周辺に捕捉された状態になります。
このため、離島部では津波のエネルギーが集中するため波高が高くなりやすく、潮位変動が長時間続くことがあります。(左動画)
同様の現象は、島嶼部だけではなく、海山でも発生します。(右動画)

津波の散乱・反射

大洋上を伝播する津波が島嶼部に達すると、島嶼部周辺の地形の影響を受けて津波が反射や屈折をします。
すると、島を中心とする同心円状に津波が伝播していきます。
このように、島嶼部など大洋上の大規模地形によって津波が新たに励起される現象を「散乱」といいます。
遠方の島嶼部にて散乱・反射した津波が伝播してくることにより、第一波到達より長時間経過してからも津波が到達することがあります。(左動画)代表的な例は、2006年11月及び2007年1月に千島列島東方沖で発生した地震による津波です。
同様の現象は、島嶼部だけではなく、海山でも発生します。(右動画)

湾内トラップ

湾や入り江の形をした海岸地形では、津波が湾内で反射・屈折を繰り返します。
そのため、このような地形では津波が長時間にわたって何度も繰り返し到達することになります。

境界波

津波は浅い方へ曲がる性質があります。大陸棚のような浅い海底が長く続く海岸線では、陸で反射した津波が沖合いで屈折して再び陸へ戻ってくることを繰り返し、海岸線を沿うように津波が伝播していくことがあります。このような津波のことを「境界波」といいます。
境界波は第一波から数時間遅れて到達し、場合によっては第一波よりも波高が大きくなることもありえます。

レンズ効果

津波は浅い方へ曲がる性質(屈折効果)があります。
そのため、大洋上に島嶼部や海底山脈があると、これらの地形がレンズのような働きをし、局所的に津波が高くなることがありえます。

3)過去の地震津波、想定地震津波

チリ地震津波(1960年5月22日)
北海道南西沖地震津波(1993年7月12日)
インド洋地震津波(2004年12月26日)
東南海・南海地震津波
東海・東南海・南海地震津波
500年間隔地震津波
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