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津波避難個別相談会の実施

1)目的

災害総合シナリオ・シミュレータを開発して以来、これを活用して、尾鷲市民を対象とした津波防災講演会を何度も開催してきました。しかし、その参加者は、自主防災組織の役員であったり、消防団員であったり、一般住民でも防災意識の高い方ばかりでした。また、その開催方法も、市の中心部にある中央公民館で夜間に開催がほとんどでした。

そこで、本研究室では、尾鷲市防災危機管理室と連携して、『津波避難個別相談会』を開催しました。この目的は、大々的な広報キャンペーンを行い、防災意識のあまり高くない住民の方にも参加してもらえるようにすること、そして、各地域の集会所で開催することで、地域のお年寄りの参加してもらうことです。

具体的には、以下のようなポスターを作成し、これを全戸配布するとともに、市内各所に約500枚を貼りだすことで、相談会の開催を広く尾鷲市民に周知しまいた。また、開催会場も市内中心部だけでなく、尾鷲市内の全ての湾の町会で日中と夕刻時に開催しました。

2)内容

個別相談会では、個人の避難行動シナリオを設定する機能を拡張した災害総合シナリオ・シミュレータを用いて、パソコン上に、各個人の状況を再現し、さらに津波が襲来した場合の避難行動を入力し、そのもとで、無事に避難することができるかどうかを判定しました。そして、この結果を踏まえて、改善や適切な避難をするために備えておくべきことなどを相談にこられた各個人に応じてアドバイスしました。

相談に来られた方の個人情報や同居家族に関する情報を入力

相談に来られた方の年代を入力
避難の際に支援が必要かどうかを入力
同居家族の有無を入力
自宅の位置を入力

地震発生時の状況や避難行動に関する情報を入力

どのような状況で地震が発生した場合を検討するのかを入力
避難開始のきっかけを選択
避難を開始するまでの準備に要する時間を入力
避難場所を入力
避難の途中で寄り道するかどうかを入力
避難経路を修正

シミュレーション結果に関するアニメーションの表示

入力した条件に基づいてシミュレーションを開始
津波と追いかけっこする様子を動画で表示
津波にのまれてしまった様子の例

アドバイスの表示と条件の再入力

何がよくなかったのかを指摘し、再入力を促す
無事に避難することができるまで何度もやり直す

3)相談結果(カルテ)の配布

シミュレータを用いて、検討した避難行動については、その場でカルテを作成し、相談結果を自宅に持ち帰り、家族と確認してもらうことを促しました。
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