1)洪水災害シナリオ・シミュレータを用いて、古河市・境町・坂東市における「水害犠牲者ゼロ」に向けた課題を把握
本研究室で独自に開発している災害総合シナリオ・シミュレータを用いて、古河市・境町・坂東市(以降、2市1町を1つの圏域として「古河・境・坂東地区」と呼ぶ)における「水害犠牲者ゼロ」となり得る条件を抽出し、それに基づいて具体的な避難対策を検討しています。
住民アンケート調査の実施
現状における古河・境・坂東地区の住民の水害や避難に対する意識を把握するアンケート調査を実施しました。そして、住民の避難意向に関する調査結果を、災害総合シナリオ・シミュレータに反映することによって、現状再現を行い、今の状況のまま水害が発生した場合に、古河・境・坂東地区でどのような被害が生じうる可能性があるのかを試算します。
「水害犠牲者ゼロ」シナリオの検討
シミュレータを用いたシナリオ分析の結果より、古河・境・坂東地区において水害犠牲者をゼロにするために、以下のような避難対策を検討しました。
①早いタイミングで避難する
・破堤してからでは間に合わない。避難勧告を聞いたら避難する。
・避難準備は事前にしておく。
②地域の特長を知り、適切な場所に避難する
・河川から離れていても、低い地域は浸水の危険性がある。
・低い地域の居住者は、高台避難する。また、避難困難者や逃げ遅れた場合は、避難場所でも浸水しない階を緊急避難場所として利用する。
③車での避難は、早いタイミングで広域に避難する
・車の渋滞が低平地で起きると被害が拡大するため、適切な避難タイミングと避難先、避難手段をセットで考える。
・避難場所が少ない地域の居住者や車での避難者は、早い段階で地区外へ避難(広域避難)する。
④地域で避難困難者を支援する
・地域内で積極的に情報を伝え、全員に伝わるようにする。
・地域や隣近所の助け合いで避難困難者を支援する。
①早いタイミングで避難する
・破堤してからでは間に合わない。避難勧告を聞いたら避難する。
・避難準備は事前にしておく。
②地域の特長を知り、適切な場所に避難する
・河川から離れていても、低い地域は浸水の危険性がある。
・低い地域の居住者は、高台避難する。また、避難困難者や逃げ遅れた場合は、避難場所でも浸水しない階を緊急避難場所として利用する。
③車での避難は、早いタイミングで広域に避難する
・車の渋滞が低平地で起きると被害が拡大するため、適切な避難タイミングと避難先、避難手段をセットで考える。
・避難場所が少ない地域の居住者や車での避難者は、早い段階で地区外へ避難(広域避難)する。
④地域で避難困難者を支援する
・地域内で積極的に情報を伝え、全員に伝わるようにする。
・地域や隣近所の助け合いで避難困難者を支援する。
2)地域防災啓発ツールの開発
動くハザードマップの開発
災害総合シナリオ・シミュレータを用いて、各個人が水害からの適切な避難方法を検討するためのツールとして、動くハザードマップを開発しました。
子ども向けクイズコンテンツ「こうずいあんぜんクイズ」の開発
動く洪水ハザードマップの内容を理解することが難しい小学生に対し、必要最小限の検討成果を理解してもらうことを目指し、子どもでも抵抗なく洪水防災の学習に入れるようなクイズ形式の学習教材を開発しました。
3)防災リーダー研修等の実施
上記で検討した避難対策を実現するために、自主防災会単位での具体的な避難方法等について検討してもらうとともに、今後、その内容を各世帯に広めていくために、防災リーダー研修等を開催しました。
第1回リーダー研修(H24.9.24)
・想定外の災害に対してどう備えるかについての認識を共有するための研修(片田教授)
・想定外の災害に対してどう備えるかについての認識を共有するための研修(片田教授)
第2回リーダー研修(H25.1.21)
・洪水災害に対する住民意識から見えてきた課題、利根川が大氾濫した場合にどのようなことが起こるのか、命を守るための地域防災に関する研修(金井准教授)
防災講演会(H25.2.10)
・第1回および第2回リーダー研修の内容を地域住民に周知するための講演会(片田教授)
4)専門家による模擬防災講習会の実施(H25.10~11)
市役所・町役場職員や防災リーダー自らが、地域防災啓発ツールを活用して地域防災活動を推進するために、古河・境・坂東地区のモデル地区を対象に、一般住民向けの防災講習会の実施方法について、私たちの研究室スタッフによる模擬防災講習会を実施しました。
あわせて、動く洪水ハザードマップを使って、住民自身に自分たちの洪水避難計画を検討してもらいました。
あわせて、動く洪水ハザードマップを使って、住民自身に自分たちの洪水避難計画を検討してもらいました。